コラムvol.23「博多座」


福岡大学法学部同窓生によるリレー式コラム第23回目は
田中百子さん(2014年卒)です。
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この記事を読んでいる方の中でどのくらいの人が「博多座」に行ったことがあるだろうか?
私が博多座に行ったのは今年に入ってから3回である。初めて行ったのは、7月である。宝塚歌劇100周年記念月組公演であった。「劇場」なので、音響が良いことは言うまでもない。「博多座」に行って驚いたことがいくつかある。
1つ目は、「劇場内での飲食可」という点である。
市民ホールなどでは劇場内飲食不可との案内があるが、博多座は飲食物の持ち込みOKなのだ。さらには、休憩時間に観客が飲んだり食べたりして出たゴミをスタッフが回収してくれるのだから驚きである。
2つ目は、スタッフに声をかけると、後方の席などでステージが観辛い人のために、座高を高くするためのクッション(座布団?)を用意してくれる点である。実際に使用してみたが、身長の低い私にはありがたく、いつもなら前の人の頭に隠れてしまうところを、快適に観劇することができた。
3つ目が、催事コーナーの充実度である。当日の演目の物販はもちろんのこと、スイーツやお茶、サンドイッチ、お弁当など、様々な店舗が並んでいるのである。ほかの劇場もそうなのかはわからないが、本当に様々なお店が並んでいて、休憩時間も楽しめてしまうくらいなのだ。そこで昼食を買う人もいれば、お土産を買う人もいる。私も、美味しい焼きドーナツに出会うことができた。
以上、3つが初めて行った時に感じたことである。
2回目は、宝塚歌劇月組の同公演の千秋楽。龍真咲・愛希れいか、この2人を中心に描き出される月組の雰囲気が好きだ。龍真咲率いるステージも催事コーナーも1回目とは違う形で楽しむことができた。もちろん、このときも同じ焼きドーナツを買ってみた(笑)。
3回目は、10月、堂本光一が座長の「Endless SHOCK」である。宝塚の、月組の舞台も素晴らしかったが、また違った演出を目の当たりにし、新しい「博多座」に出会えたような気がした。照明の使い方、体を張った演技、フライング、早替えの多さ…ジャニーズだからこそできる演出に引き込まれ、ただただ感動するばかりであった。そして、意外と役者と観客の距離が近いなと、感じることもできた。この日も催事コーナーは多くの客で賑わっていた。
同じ劇場でも演目によって違った姿を見せてくれる。それが舞台の魅力なのだろう。そして、舞台はもちろんのこと、スタッフの心配り、舞台以外にも楽しみがある、それが「博多座」の魅力なのかもしれない。今度は、歌舞伎も観てみたいと思う。これから先、どんな「博多座」に出会えるのか楽しみである。